J2リーグ第33節 京都サンガ対SC相模原 マッチプレビュー
J2リーグ第33節京都サンガF.C対SC相模原の試合を独自にプレビュー
Jリーグをある程度見る人向けの記事になってます。
なお、記事の情報は10月3日(日)第32節までの情報です。
- ここまでの各チーム『京都サンガF.C』編
- 京都で注目するべきポイントは主に2つ
- ここまでの各チーム『SC相模原』編
- SC相模原で注目するべきポイントは2つ
- 33節のポイントは?
- データを元に注目選手を各クラブ1人ずつあげてみた。
- 終わりに
ここまでの各チーム『京都サンガF.C』編
32試合を終えて20勝5負7分の現在2位
前節上位対決の長崎戦を落としてしまい、磐田が町田に勝ったことで首位を明け渡してしまいました。
今節の反省と調整を行い、9月後半の3連勝からの勢いを殺さずホームの相模原戦に臨みたいところです。
京都で注目するべきポイントは主に2つ
-
高い位置でボールを奪ってショートカウンターからのゴール
- 川崎颯太から前の選手を生かしたビルドアップ&ホールディングスセブン
前線からのハイプレス・プレスバック
前線の選手、特に2シャドーに入る武田将平選手と福岡慎平選手がとにかく走る。ハードワークとパスが持ち味の2人がボールを奪って、前線にショートカウンター。前線にはピーターウタカ選手やイスマイラ選手といった得点力の非常に高い選手がそろっているので、そりゃあ決まりますよね。
川崎颯太選手
今年の京都を語る上で必要なのはこの選手。川崎颯太選手。
現代サッカーに必要な1対1を制することのできる選手だ。
ボールを奪うチャレンジを積極的に行い、しっかりと奪いきることができる。
その後のプレーがJ2トップクラス、いや、J1や海外レベルだろう。
ドリブル、サイドチェンジ、縦パスといった前の選手を生かしながら攻撃に展開していく力に長けているのだ。
オリンピックで活躍した遠藤航選手を彷彿させる、対人を制し、攻守にバランスをもたらす選手が今年の京都の躍進を支えているのだろう。
湘南時代に遠藤航選手を育てた監督が現京都の曺 貴裁(チョウ・キジェ)監督。
川崎選手について監督は『Footballista』のインタビューで
「颯太は航と未月*1の``真ん中``の選手だと思うのです。(中略)現代サッカーにおいて、彼らのいいとこどりができたらいいなと考えていて、颯太を見るとそう感じますね。」
と語っています。ベルマーレ時代の教え子のプレースタイルを重ね、いいとこどりと評価される期待の選手。パリオリンピック世代でもあり主力としても期待が掛かっていますね。
ここまでの各チーム『SC相模原』編
32試合を終えて6勝15負11分の現在21位
22チーム中21位、降格圏内です。去年までJ3。健闘していると思います。
前節は中位につけている水戸との試合でしたが、4‐4の打ち合いドロー決着。
後半21分からホイッスルまでに5ゴールが飛び出す展開に。
後半ATに同点ゴールを決めたのは名古屋グランパスから移籍してきた児玉駿斗選手。
チーム合流2試合目とは思えません。
そして、相模原を語る上で『移籍』が大切な要素となってきます。
SC相模原で注目するべきポイントは2つ
- 監督交代&夏移籍大量獲得で別のチームに!
- 元&レンタルセレッソ組が多い。
色々変わっているのです。
まず、監督交代。
6月からJ3から指揮していた三浦監督に変わって、去年大宮を指揮した高木琢也さんが就任。
2017年はJ2を2位でVファーレン長崎をJ1へと昇格させ、2018シーズンはJ1リーグ最下位として最大の勝ち点30を獲得し、大いにリーグを盛り上げてくれました。
そんな名将はチームを一瞬にして高木カラーに染めていきます。
J1所属の将来有望の選手を大量獲得したのです。
○鳥栖からユース出身で「NEXT林大地」と呼び声高い兒玉澪王斗選手。
○浦和から青森山田時代、選手権準優勝へ導いた世代最強DFの藤原優大選手。
○清水からユース出身、世代別代表にも選ばれたスーパーボランチ成岡輝瑠選手。
○名古屋から期待され過ぎて異例の``3年前内定``を決めたドリブラー児玉駿斗選手。
高木監督の目論見とは
「そんなに取ってなにがしたいんだ、、、」
「現戦力で残留できるか怪しいのに、若手ばっかり使うなんて、、、」
そう思った方、思い返してください。高木監督が長崎を昇格させるのに何年かかったかを。
5年です。
就任してすぐ、J3から上がってきたばかりのチームをいきなりJ1に上げる事は考えてないのでは。
目論見としては、3~5年かけ、若い選手を鍛え上げた上でSC相模原を「J1昇格」させる事なのではないでしょうか。
「でも、レンタル移籍だからすぐ元のチームに帰っちゃうんじゃ、、、」
その可能性はあります。でも前述した4選手の共通点は?
すべてJ1のチームということ。
おそらく、強いチームとの関係性、パイプの強化が目的だと思います。
「えっ、相模原さんにレンタルすると育って帰ってくるやん、、、」
「次の期待の若手も相模原さんに預けて育ててもらっちゃおうかな、、、」
きっとレンタル元のチームからもお墨付きをもらえるはずです。
J3から昇格したチームが獲得できる選手のレベルを悠に超えていますよね。
そんな有望な選手達と一緒にプレーする選手がまた凄い。
若手が元代表の上司から教えてもらえる環境がJ2のチームにあるなんて!
こうしてできた人脈を駆使し、若手に試合経験を積んでもらい、大先輩からアドバイスを受け育てた選手達で将来的にJ1を掴み取る。
将来を見据えたチームを作り上げようとしていることは間違いありません。
セレッソの選手、多くない?
清原翔平選手、舩木翔選手、澤上竜二選手。
3人だった。多い方だけど。
以上。(前の項目に気合入れ過ぎた。)
33節のポイントは?
ここからは個人的なプレビューになります。
前回対決は第1節。
京都が2-0で勝利しましたが、あまりそのデータは参考にならないかと。
だって、相模原は選手も監督も違うんだもん。
愛称よりも、順位に関係なく自分たちのサッカーを貫くことが勝利へ繋がるのではないでしょうか。
面白いデータがあります。(第32節終了時)
『被シュート数』
相模原はリーグワーストの393回。一方京都は22チーム中21位の235回。
これだけ見ると、相模原の守備が心配になるところですが次のデータを見てください。
そして『被シュート成功率』
被シュート成功率とは相手に打たれたシュートが失点になった割合です。
京都は22チーム中3位の7.8%、相模原は何と22チーム中1位の6.8%!
最後に『失点数』
京都が32試合で26失点でJ2最小失点、相模原は39失点でリーグ12番目。真ん中辺りですね。
京都はデータだけ見ても凄いですが、相模原も守備力なら負けていません。
データは打たれたシュートが失点に直結するとは限らないことを示しています。
攻撃力が魅力的な両チームですが、私は守備に注目していきたいです。
データを元に注目選手を各クラブ1人ずつあげてみた。
ここからは注目選手をピックアップ。
京都 GK若原智哉選手
21歳。既婚者で子どもがいます。
ここまで奥さんの出産で欠場した1試合を除き、全試合に出場しています。
家族もチームのゴールも守る素敵なパパです。
彼の魅力は若いのに安定感のあるセービングと適格なコーチングにあります。
選手の声がよく聞こえるスタジアムで、彼の声にも注目です。
SC相模原 DF藤原優大選手
浦和から移籍して即レギュラーを勝ち取った選手。彼の強みは1対1の強さ。
京都にはイスマイラ、ピーターウタカと強力で屈強な外国人がいます。
そんな外国人にも当たり負けないディフェンス能力が彼の持ち味。
1対1での勝率は何とリーグ1位の100%!
ボールを奪われることを警戒した選手は前を向くことができずに後ろにボールを下げることが多くなるはずです。そしてDFラインを崩す事に多くの労力を割くことになることでしょう。
彼を中心としたデイフェンスに注目です!
終わりに
京都は優勝&自動昇格権を、相模原はJ2残留をそれぞれ目指して戦います。
京都は10月4連戦はいずれも下位のチームとの闘い。(相模原、群馬、山口、愛媛)
1試合も落とせない試合が続きます。このカードを取る事で連戦への勢い付けにもなるでしょう。
相模原は次節は上位山形。その後2試合は金沢、北九州と残留争いのチームとの直接対決。
ここで京都を叩けば、勝ち点は間違いなく伸ばせる。
個人的には、新しい育成クラブのスタイルを築きつつある相模原にはJ2に残ってほしい!
注目の一戦は10月10日(日)サンガスタジアム14:00キックオフ。