好きになった理由 野球編
『人生が変わった出来事は?』
と、聞かれたら間違えなく
「プロ野球に出会った事」
と答えます。
スポーツ観戦が生活の一部になり、野球を基準に回り始めました。
好きな球団は千葉ロッテマリーンズ。
他球団のファンからはお決まりの「なんでロッテなの?」と質問が飛んできます。
ええ、質問したい気持ちはわかりますとも。
最近だとぺこぱの松陰寺さんが「ゲームで弱いチームを使って強いチームを倒すのが楽しかった。そのチームがロッテだった。」とメディアで語っていました。
ブレイクしても、TVでロッテ愛を語る松陰寺さん。ファンの鑑です。
私がロッテにはまったきっかけ、それは、初めて観戦した試合で「とある出来事」が起きたからです。
時を遡り、2009年、中学1年生。思春期に起きた、恋にも似た激しいロッテとの出会いを振り返ります。
2009年9月27日オリックス戦
はい、ロッテファン歴の長い方ならもうお分かりでしょう。
そう、西岡剛がお立ち台を降り、ライトスタンドに涙の訴えをした次の日です。
事件については触れませんが、とにかく初観戦にしては衝撃的な事が多すぎたのです。
初応援歌が2番堀。
『応援が熱い』で知られるロッテの応援を初めて聞くのは、この日2番に入った堀幸一選手。そう、西岡選手は前日のいざこざがあり、応援ボイコットという前代未聞の事件が起こっていたのです。そんなことも知らない私は
「応援歌がない選手のいるんだな~」
と思っていました。だって野球観戦初めてなんだもん!
打者2巡した頃に違和感に気づいたことを今でもはっきり覚えています。
ベニー1打席目がロッテ最終打席
同点で迎えた2回裏、外国人助っ人のベニー・アグバヤニ選手が勝ち越しのソロホームランを打ちます。1回に堀選手がホームランを打っていますが、初めて生で見るパワーヒッターのホームランには心躍りました。ゆったりとしたベースランニングで内野を回り、観客の声援に応えるベニー選手。
「ベニー選手、今シーズン7号のホームランでございます!」
観客に聞きやすく、なおかつホームチームのボルテージを高めるアナウンス。
そういえば、ここから自分の外国籍選手好きは始まっていたのかもしれません。
その次の瞬間です。喜ぶファンの歓声を困惑の渦に巻き込むには優しすぎる谷保さんのアナウンスが流れます。
「ただ今の打席がベニー選手のロッテでの最終打席になりました」
「こんな凄いホームランを打ったのに、辞めるの?」
困惑しました。当時はシーズンがいつ始まっていつ終わるかなんてわかりません。戦力外通告や契約があることすら知りません。
「あれか、辞める選手はこうやってみんなの前でアナウンスしてもらえるのか。」
活躍した選手はみんなお祝いしてくれる、私の頭は平和なものでした。
「みんな最後まで頑張りましたね~」と言われそうな保育園の運動会のアナウンスくらいに考えてました。
現実は思ってたのと違う。帰ってパソコンで調べ解決。
この記事からネットサーフィンが始まります。
ベニー選手に始まり、唐川選手、堀選手といった選手情報。
プロ野球のチーム数、他球団の本拠地、野球のルールについてなど。
ロッテを軸に野球の情報がどんどんインプットされるのです。
「こんなに面白い世界を自分は知らなったんだ!」
次の日から新聞の野球欄を毎日追うようになりました。ロッテの結果のみですが。
携帯は持って無いですし、我が家は夜のニュースを見る習慣はありません。
自ずと次の日の朝刊が自分にとっての最新情報になってきたのです。
そう、私がロッテを好きになるきっかけは、ベニー選手だったのです。
もしもの話ですが、ベニー選手がホームランを打っていなかったら。最終打席じゃなかったら。
ここまで野球を好きになっていなかったと思います。
数奇なる巡り合わせだと感じます。
両チーム合わせて33本のヒット
打ちすぎです。
初観戦にして両チーム合わせて33本。
現在ファン歴10年以上ですが、観戦した試合ではこんな打撃戦ありません。
おまけに与四死球もわずか1つ。
フォアボールが続くと試合がダレて、飽きたりするものです。
観戦初心者にとって、飽きる要素が全くなかったんです。
彼女や気になる人との初デートなら盛り上がりそうな試合ですね。
「野球ってこんなにヒット出るんだ!」
出ません。ましてや千葉ロッテマリーンズです。
ポジティブでキラキラと輝いた部分だけを奇跡的に目にしてしまったのでした。
最後に
当然ながら、長く応援していると負けの形を知る事になります。
批判されたり、やじられたり。
あのキラキラしたロッテはそこにはいません。
でも、ロッテファンになったことに後悔はしていません。
マイナスイメージからのスタートだったら、結果は変わっていたかもしれませんが、2009年のキラキラしたロッテに出会った事で、その後さまざまな表情のチームを知る事が出来ています。
そして一喜一憂しながら、野球を通じて人や地域の魅力に出会うことができたのです。
野球が、大好きだ。