好きになった理由 美術・アート編

「その天女、柄マニアにつき~」

 

その歌は、元旦の少し眠い時間、紅白歌合戦の後に見た番組が美術への扉をそーっと開けてくれました。

その歌は、美術にきっかけや美術の捉え方、鑑賞の仕方は自由であると背中を押してくれる優しい応援歌だったのです。

 

びじゅチューン

Eテレでやっている教育番組です。

www.nhk.jp

5分間の小番組の中で、美術を奇想天外な歌とアニメーションで面白おかしく紹介する番組。

Eテレって、アーティスト発掘するの上手ですよね。

番組内で流れる、作詞・作曲・イラスト・歌・アニメをすべて手掛けているのがアーティストの井上涼さんです。

 

井上涼さん

 

彼の作品がとにかく癖になります。癖強めの作品が多いですが、何回か見ていくと自然にハマっていきます。

もともとゆるキャラが好きな私は、彼の絵に見事にはまりました。

彼自身不思議なキャラクターであることと、自ら「ゲイであること」をカミングアウトし作品にしていたりと、経歴が魅力的なのです。

 

びじゅチューンを見続けていくと

アニメの中に出てくるワードが引っかかってきます。

歌詞の中に「ん?今のはどういう意味だ?」とか、「このキャラクターは何をモチーフにしているんだ」とか。

井上涼さんの遊び心が自分の知的探求心をくすぐってくるのです。

例えば私がびじゅチューンに出会ったきっかけでもある「その天女、柄マニアにつき」

www.youtube.com

 

※一部抜粋

 

柄 柄 柄好き 吉祥天女(きちじょうてんにょ)
薬師寺まるごと 柄で埋めたい!」

 

この歌詞から2つの疑問が浮かびます。

吉祥天女って誰?

吉祥天女薬師寺にいるんか?

こういった遊び心ある歌詞の中に、きっちりと歴史や美術に関するワードが組み込まれているんです。

調べると当然、薬師寺吉祥天女の事が出てきます。

調べている事も楽しいし、中高でやった歴史の振り返りなんかもできます。

 

でもなにより本物を見に行きたい気持ちが湧いてきます。

敷居が高そうな美術館や博物館に『アニメーションの元になった作品を見に行く』という理由で足を運ぶことができる!

 

実際に本物を見に行ってみた。

初めてびじゅチューンきっかけで見に行こうと思った作品は縄文土器先生」

www.youtube.com

 

この作品はとにかく音楽が癖になる。

何度も何度も無意識に口ずさんでしまうメロディー。

「なんで先生になったんだ、、、」

 

井上涼さんはこの作品を作るにあたって、

縄文土器ってネクタイとシャツが似合いそう」と模写していたら、ジェントルマンになった。今の時代なら先生として子供らにいろいろなことを教えてくれるだろう」

縄文土器を先生としてイメージしたそうです。

 

 

東京国立博物館で見れると知り、高校生の時に1人で上野へ足を運びました。

使用感や実際の大きさを知る事ができたのです。

 

小学校の歴史でも学んだことのある縄文土器。この曲を聴くまで、縄文時代に何で使われていたのかなんて知りませんでした。内部に焦げが見つかった為、祭事や煮炊きに使用させていたものみたいです。

 

 

新潟の笹山遺跡から出土いたもので、そこには他にも何種類もの火焔式土器が展示されているみたい。いつか行ってみたいですね。

 

きっかけは何であれ、本物の作品に触れる機会を得ることができたのです。

実際に目の前にした作品は想像より大きく、両手でよいしょと持ち上げられることのできろうな大きさ。確かに見えた焼け焦げた跡。手で彫ったとは思えないきめ細かい模様。

 

感動しました。

本物に触れるとこんなに多くの気づきがあるのかと。

そうしているうちに、隣の作品が気になったり、次の展覧会が気になったりと興味の裾野は広がっていきました。

 

旅行先でおススメの美術館なんかも、書いていこうと思います。

 

美術とは

「敷居が高さそう」「見に行ってもどうやって鑑賞したらよいかわからない」

こういった言葉をよく聞きます

確かに自分もそう思っていた1人です。

 

深く考えなくても、本物に触れる事が大切だと思います。

とにかく、まずは何かに触れてほしい。

「とにかくって、どうすりゃいいのよ」って人はとりあえず、びじゅチューンの放送を1回見てほしい。Youtubeでも見れるからさ。

 

私は井上涼さんに出会って、美術に触れることができて、よかった。

人生で大事な出会いもすることができました。

 

強要はしませんが、私自身も美術の素晴らしさを発信していきます!